第5話 止まない雪
しんしんと雪が降り積もる中、私達は手を繋いで歩く。
街は買い物客の姿もまばらになり、すっかり静まり返っていた。
○○
「パーティ・・・・できなくてごめんね」
真琴
「・・・・」
(もっとちゃんと計画を立てておけばよかった)
街中に並ぶ店はすべて、すでにシャッターが下ろされている。
年内の営業はどこも今日までで、明日からは休業らしい。
(・・・・真琴君を喜ばせたかったのに)
いたたまれなくなって、うつむいていると・・・・
真琴君の手が私の肩を引き寄せて、優しく抱いた。
真琴
「・・・・寒い。もっとくっついて」
○○
「・・・・!」
ぴったりと彼の体に寄り添うと、胸の鼓動が聞こえる。
(なんだか・・・・ほっとする)
身を委ねると、真琴君は自宅とは逆方向に歩き出した。
(あれ・・・・?)
○○
「どこへ行くの?」
真琴
「ついてきて」
暗闇に浮かぶ街灯の下を、私達は寄り添いながら歩く。
空から舞い降りる雪は、未だ止みそうになかった・・・・ー。
- 最終更新:2017-03-22 00:58:31