第6話 憎めない人

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ウィル『ちなみに森の中のアトラクションってのも存在しないよ』

〇〇『う、嘘をついてたんですか!?』

ウィル『本当にごめん。どーーーしても、君と夜のデートがしたかったんだ!』

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振り回されても……ウィルさんのことを憎めないと再確認した日から、一夜明けて…―。

ついに収穫祭の当日がやってきた。

ウィルさんと訪れた城下町は、昨日とは比べものにならないぐらい賑わっている。

(皆、仮装してる……)

お化けや魔女、吸血鬼などに扮した人々が歩く街中は、いくら眺めていても飽きることはなかった。

町中に設置されたアトラクションもどこも大盛況のようで、あちらこちらから悲鳴が聞こえてくる。

ウィル「昨日は見せることができなかったんだけど、とっておきのアトラクションがあるんだ」

そう言いながらウィルさんが私を案内したのは、広場に設置されたサーカステントの前だった。

入り口にはおどろおどろしい文字で、ホラーサーカスと書かれている。

ウィル「ここは僕の一押しだよ! おいで!」

昨日のことで懲りているはずなのに、ウィルさんに誘われるとどうしても拒めない。

(馬鹿だな……私)

私は不安を抱きながらも、彼に続いてサーカステントの中へ入った…―。

  • 最終更新:2017-05-28 04:43:41

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