第9話 二人の時間
今日も中庭からは、ハルが剣の稽古をする音が聞こえてきている。
国王「最近は、稽古にも勉学にも力が入っているようだな。いいことだ」
ハルの様子を見にやってきた国王様も、満足そうに頷いて、すぐに立ち去った。
けれど、そんな時…―。
ハルディーン「っ……」
○○「ハルッ!?」
ハルが、ふらりとよろけるように足元のバランスを崩し、膝をつく。
慌てて駆け寄って、ハルを支えた。
ハルディーン「ん……ああ、シュガー。悪いな、ちょっとふらついた」
○○「大丈夫? 少し休んだ方がいいんじゃ……」
ハルディーン「ん、まあ、そうだな。最近、ちょっと根詰めてたから……」
(確かに……ハル、すごく頑張ってたから)
ハルディーン「……パンクしたかな。いきなりいろんなこと詰め込んだから」
○○「私、部屋まで付き添うよ」
ハルディーン「ん、ありがとう」
ハルが力なく微笑む。
その笑顔は、いつもよりやっぱり元気がなくて顔色も悪かった。
○○「ハル、立てる?」
ハルディーン「大丈夫だ。シュガーの柔らかい体に寄り添っておくから。うん、気持ちいい」
○○「も、もうっ。こんな時に、冗談なんて」
それから私は、ハルを支えて部屋まで付き添った…―。
つづく……
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- 最終更新:2017-02-22 23:34:54